プラズマローゲン:脳と心を支える未来の鍵
九州大学名誉教授 藤野武彦先生の研究から生まれた、新たな可能性
プラズマローゲンは、私たちの脳や心臓、免疫細胞に多く存在するリン脂質の一種で、細胞膜の約20%を占めています。特に脳神経細胞に豊富に含まれ、神経伝達や抗酸化作用に関与しています。
藤野先生の研究によれば、ホタテ由来のプラズマローゲンを経口摂取することで、マウスの海馬におけるプラズマローゲン量が増加し、記憶力や学習能力が向上することが示されました。さらに、神経細胞の新生やBDNF(脳由来神経栄養因子)の発現促進も確認されています。
軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病の患者に対する臨床試験では、プラズマローゲンの経口投与により、認知機能や行動・心理症状の改善が報告されています。特に、血中プラズマローゲン濃度の上昇が、症状の改善と関連していることが示されています。
若年層を対象とした研究では、プラズマローゲンの摂取により、ネガティブな気分の軽減や精神集中力の向上が確認されました。具体的には、「怒り–敵意」や「疲労–無気力」の感情が有意に低下し、睡眠の質の改善も報告されています。
プラズマローゲンは、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性化を促進し、ウイルスに対する殺傷力を高めることが示されています。これにより、自然免疫の強化や感染症予防への応用が期待されています。
プラズマローゲンは、脳の健康だけでなく、心の安定や免疫機能の向上にも寄与する、未来の健康素材として注目されています。
認知症:ホタテ・プラズマローゲンがその治療と予防を一新する